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・「コピーコントロール」と称する謎の円盤と私の Discman(2002/5/22 作成、2002/12/16 追記

 音楽ディスクにおいて、avex さんがはじめてコピープロテクションを施した「コピーコントロール CD」と称する、「コンパクトディスク(CD)」の規格に準拠していない謎の円盤を発売してから二ヶ月が経過しました。それをキッカケに様々な議論が Web 上で飛び交い、しかしその間にも着々とコピーコントロールされた謎の円盤は増えています。私の場合、そんな得体の知れない物を購入する意図は全く無かったのですが、実態を知らずにただ異議を唱えるのはこのサイトの主旨に反します。ちょうどフジテレビのナイター中継でよく耳にしていたこと、石丸電気さんのポイントが溜まっていたこと等からコピーコントロールされた謎の円盤「al di la」(H∧L)を購入してきました。2002/5/3 のことです。

 

 購入してきた謎の円盤。マキシシングルでアレンジ曲等7曲が収録されています。「AVCD-30335」。

 

 コピーコントロールの表示。この表示はシュリンクの表面に貼付けてあります。

 

 シュリンクの裏面に貼ってあるシール。この文言は謎の円盤発売以来今でも細かく変更されているようです。

 

 さて、拙宅には純然たる CD プレーヤがコンポやラジカセ等3機種あります。CD-M2(マイクロ精機)、PMC-303(SONY)、D-303(SONY)です。この内、CD-M2、PMC-303 では特に問題なく(現状では)再生できています。それに対し、D-303 では時折再生されない、時折再生開始時に異音を放つ、時折スキップ時に異音を放つ、と毎回では無いものの正常に動作しているとは言い難い挙動を示します。そこで、その正常に動作しているとは言い難い様を録音して公開することにしました。

 

 問題の D-303。ご覧の通り Discman です。何年に買ったとかはもう覚えて無いです。音跳びガード等付いておらず、1bit DAC が採用された最初の Discman じゃなかったかな。生意気にも光デジタルアウトを装備していますが、光で接続したことはありません。帰省時とか年に数回しか動かさないので未だ完動品です。

 

 録音状態。動作音と、イヤホンから流れる音を同時に録音できるような形に。尚、録音した物を実際に聞いて頂ければお判りでしょうけど、マイクが動作時の振動音まで拾ってしまったのは少々失敗だったかもしれません。とは言え、普通の CD では振動自体が発生しないのですが...

 

 注:再生に支障があることを証明するためにやむを得ず楽曲の極一部を録音、掲載しています。著作権侵害の意図は一切ありません。

 それでは以下に録音した動作音を掲載します。と、その前に...

通常 CD の動作音(MP3、12秒、49KB)

 2秒目に再生ボタン
 7秒目から再生(正常)

 ソースは「WELCAME」(松岡直也/ワーナーパイオニア:32XL-235)。何の問題も無く再生しています。

 

では、謎の円盤「al di la」を再生してみます。「al di la」」(H∧L/avex trax:AVCD-30335)。以下同じ。

「al di la」再生1(MP3、37秒、145KB)

 2秒目に再生ボタン(再生失敗
 9秒目に再生ボタン
 12秒目〜21秒目の間に異音
 23秒目から再生開始
 32秒目にスキップボタン
 34秒目から再生

 マイクが振動音まで拾っているので実際より少々ヤバめに録音されています。

 

 念のため別の異音パターン。

「al di la」再生2(MP3、12秒、51KB)

 1秒目に再生ボタン
 4秒目〜7秒目の間に異音
 10秒目から再生

 異音状態が若干短めに復帰したパターンです。

 

 次にスキップ時の動作についても録音しました。

「al di la」スキップ1(MP3、44秒、174KB)

 4秒目にスキップボタン
 5秒目〜7秒目の間に異音
 11秒目から再生
 19秒目にスキップボタン
 20秒目から再生
 29秒目にスキップボタン
 30秒目〜33秒目の間に異音
 37秒目から再生
 42秒目にストップボタン

 スキップ時にこのような状態になる頻度は平均で10回に1回程度です。この時はたまたま同じ録音中に二度発生しています。

 

 念のためもう一度。

「al di la」スキップ2(MP3、22秒、90KB)

 4秒目にスキップボタン
 4秒目〜7秒目の間に異音
 10秒目から再生
 19秒目にスキップボタン
 20秒目から再生

 

 さて、こんな感じです。正直なところ、プレーヤの寿命を削りながら再生している感を拭えません。こう言った結果を踏まえ、avex さんのフリーダイヤルに問合わせを行ないました。以下、その要旨をメモと記憶を頼りにまとめます。

 

私 「H∧Lの al di la を買ってきたんですけど、ウチのプレーヤで異音が出たり再生できなかったりするんですけど」
係員「恐れ入りますが、プレーヤの型番等今お判りでしょうか?」
私 「SONY の D-303 です」
係員「恐れ入ります、暫くお待ち下さい...」
 注:リストを調べているようです。この間、バックで同じような質問をしている声が数回聞こえてきました。
係員「すみません、弊社のリストに記載されていない機種なんですが、どのような症状でしょう?」
私 「毎回では無いんですが、再生できなかったり、再生やスキップしようとするとプレーヤからイヤな動作音がします」
係員「やはり、コピーコントロールとの相性が出ていると考えられます」
私 「どうしたらいいんでしょう?」
係員「そのプレーヤは CD-R 対応とかしてます?」
私 「CD-R が普及する以前の機種です」
係員「レンズ等のクリーニングは如何でしょう?」
私 「Discman ですからねぇ、ピックアップ観えてますし」
係員「そういたしますと、弊社といたしましては、コピーコントロールとの相性が出ていますまでしか申し上げることができません。今後いかがなされるかはお客様の方でご判断して頂きたいと思います」
私 「んー、\1k の品物ですからわざわざ返品するにも交通費の方が高くなってしまいますから取り敢えずは所有していますけど、それにしても正常に再生できる製品と交換とか行なって頂けないんですか?」
係員「違法コピーが無くなればコピーコントロールも無くなると思うんですけど」
私 「でもそれによって買った人間がちゃんと聴けないのはおかしいのでは?」
係員「その通りです。弊社といたしましても、そのようなことが起こらなくなるように日々研究している最中です。現在採用しております Midbar Tech の技術は現在最高のものだと思っています」
私 「現状では今以上の技術は無い、と言うことですか?」
係員「はい」
私 「でも実際に支障が出てるんですけど」
係員「今以上の技術ができましたら順次採用していく意向です」
私 「では、今以上の技術ができて、再生に支障がなくなったら今のディスクと交換とかして頂けるんでしょうか?」
係員「新譜には順次採用されていくと思うんですけど...」
私 「旧譜は今のまま?」
係員「将来は判りませんが、現在の所はそのようになると思います。そう言った情報は順次ホームページ等で発表されると思います」
私 「こう言った問合わせ、多いんですか?」
係員「...ええ、多いです」
私 「取敢えず私のプレーヤでは凄いイヤな音がするんですけど、使ってて大丈夫なんでしょうか?」
係員「プレーヤが壊れるようなことは無いと思っていますが、100パーセントの保障はできかねます」
私 「つまり私のプレーヤでは聴かない方が良いってことでよろしいのですね?」
係員「いえ、そのご判断はお客様に...」
私 (苦笑)
係員「あと、お友達の方で再生できるプレーヤをお持ちの方にテープ等へ録音して頂くとか」
私 (CD-R へ焼いて貰うのも有り? って質問を何とか押し止める/笑)「取敢えずおっしゃりたいことは判りました」
係員「あ、私、担当の**と言う者です。また何かありましたらよろしくお願いします」
私 「はい、失礼します」

 

 売りっぱなしで解決策を用意していないのですから、いくら係員いじめても憂さ晴らしにしかなりません。それでも何もしないよりはマシなんでしょうか? 取敢えず、今後の判断はこちらに任せるってことでしたので、国民生活センターサイトの「消費者トラブルメール箱」コーナへ以下の投書を行なっておきました。

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2002/5/3にavex社のCD「al di la」を購入。このCDには「コピーコントロール」が施されている旨パッケージにシールで貼付けてありました。その他「MP3対応プレーヤー、CD-R/RW対応プレーヤー、カーナビ一体型カーステレオ、ハードディスクレコーダー、CD-ROMドライブを利用したプレーヤーでは再生に不具合を生じる場合があります」とあり「製造工程上の不良品以外、交換、返品、返金には応じられません」とも記載されています。ところが私所有のSONY社 D-303と言う機種では、上記どれにもあてはまらないのに度々再生できないことがあります。この件でavex社に問合わせたのですが、コピーコントロールとの相性との返答しか頂けませんでした。SONY社は「コピーコントロールCDはCD規格に準拠していないので再生保証できない」とのことです。小額商品でもあり、わざわざ返品等するつもりはありませんが、納得できないものがあります。

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 400 字までしか受付けないので端折るのが大変でした。

 取敢えず私からの提言。声を出しましょう。規格外の円盤を無保証でリリースすることは、商売としてやってはいけないことです。しかも弊害以上の効果があるとは、私には思えません。今後どう転ぶかはまだ判りませんが、1年後がどうなっているのか、ある意味楽しみでもあります。

 

追記(2002/6/16)--------

・音質について

 コピーコントロールされた謎の円盤については、その音質についても劣化が語られています。実際どうなのか、拙宅のシステムで聴き比べてみました。ただ、残念ながら聴き比べ用に準備した私的録音保証金を含んだ CD-RW を拙宅の CD-M2(マイクロ精機)では再生できなかったため、再生はパソコンで行なっています。パソコンでの再生で音質を語れるのか? との疑問はあると思いますが、以下の再生環境を提示して置きますのでご判断下さい。

 再生ドライブ:UCR-412(KENWOOD)デジタル再生
 音源カード:XwaveElite(Labway)S/PDIF 出力
 D-A 変換:RP-U100(YAMAHA)
 アンプ:L-507S(Luxman)
 スピーカ:DS2000(DIATONE)

 実際のところ再生出力側のプアさは否めません。オーディオ用のドライブでは無いことに加え音源カードで 44.1k => 48k 変換が行なわれることもあり、スピーカから出力される音は CD-M2 のそれに比べて解像感、レンジ共に劣ります。それでも同じ再生装置から再生せねば比較になりません。私の耳で聴き別けられる程度の音質であれば良いとの判断です。

 リッピング、CD-RW への書込みは CDD4401(Philips)+CD2WAV32+Nero で行ないました。私が常用している上記 UCR-412 と CDD4401 では謎の円盤を普通の音楽 CD として認識し、再生、リッピングに問題を生じません。この場合、コピープロテクションの回避行為を一切行なっていませんので法的な問題は無いと判断しています。

 再生前にオリジナルのディスクと CD-RW の状態を UMDoctorPro(三洋)で比較してみます。

「al di la」(H∧L)

 

作成した CD-RW

 

 UMDoctorPro の試用期限が切れているのでディスクの内周側5分しか測定できません。CD-RW では C1 エラーが高めに出ているものの、C1 エラーは完全に補正されるため音質へ直接の影響を与えることはありません(間接的にはあるかもしれません)。対して謎の円盤の方ですが、音楽ディスクとして2分30秒過ぎまでの C1 エラーの少なさは優秀です。しかし、それ以降 C1 エラーに加え C2 エラーが盛大に検出されています。C2 エラーは「有ってはならないエラー」です。C2 エラーも完全に訂正可能ですが、「CD」としては不良品となります。avex さんのコピーコントロール円盤が採用している CDS-200 は CD で言う TOC の部分に不正な情報を格納することとエラーを故意に挿入することで成り立っていると思われますが、何れも CD の規格上は認められていないため「COMPACT disc」ロゴの使用も認められていないのでしょう。

 さて、それでは両者を実際に聴き比べてみたのですが...

 正直申しまして、元々の音がエフェクトの施されたものを多用しており、全体としてレンジ感の非常に狭い音に仕上がっています。奥行きなんてペラッペラで全く有りません。ハッキリ書けば、元から音質を語れるような音ではないのですね。ラジカセやヘッドホン等のプアな小口径スピーカでの大音量再生向けにチューニングしているのかもしれません。それでも、ノイズがある程度小さくなる間奏の部分では音の違いを感じることはできます。できますが、どちらが良い、と判断できるような違いではありません。高域の先鋭感で劣るオリジナルの方が耳に優しいのでは? と思ったりもします。

 結論としては、「al di la」において、こと音質に関してはどっちでも構わない、となります。聴き比べないと判らないレベルですし、それが影響する楽曲でもありません。

 もっと原音再生を目指した録音を施したディスクで聴き比べてみたい所ですね。そう言った用途のディスクに CDS-*00 が使えるのなら、ですが。

追記(2002/12/16)--------

 CD のパテントホルダでもある SONY さんのグループである SME さんが「レーベルゲート CD」なるものを発表し、二度目以降のリッピングの課金とデジタルオーディオ部分へ CDS-*00 を採用する旨公表されました。自社がパテントホルダであるとの SONY さんの誇りに期待して SME さんへメールにて下記の問合わせを行なってみました。2002/11/28 のことです => 問合わせ窓口「labelgatecd@sonymusic.co.jp」

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「レーベルゲートCD」に関する質問です


 はじめまして。

 御社が先日発表した「レーベルゲートCD」について質問が有ります。
公表されている FAQ によりますと

>A. 下記の一部の機種では、再生に不具合を生じる場合があります。
>MP3対応プレーヤー、CD−R/RW対応プレーヤー、カーナビ一体
>型カーステレオ、ハードディスクレコーダー、CD−Rレ コーダー等
>CD−ROMドライブを利用したプレーヤー、DVDプレーヤー、LD・
>ゲーム機などのCD互換プレーヤーなど

 とのことですが、具体的な機種名を教えて下さい。購入した後、再生
に支障が有っても返品には応じない予定と同ページに記載されており、
ソフト、ハード双方とも安心して購入することができません。基本的に
ソニーさんの発売した機種なら大丈夫と考えて良いのでしょうか?

 パソコンでの再生においても、他社の CCCD ではディスクを全く認識
できない場合が有ると聞いています。レーベルゲートCD ではそのような
ことは無いのでしょうか?

 以上2点です。特に再生できないプレーヤの機種名は、返品応じない
とする以上、最低でもソニー製品に関しては公開しなければ企業として
の責任を果たせないと思いますので、よろしくお願いします。

--------
 以下は本音です。

 違法コピー防止そのものに反対はしませんが、本来であれば購入した
客に対してもっと大きなメリットを提供する方向で実施すべきでは? と
考えます。他社の CCCD にしても御社のレーベルゲートにしても、きち
んと購入した客だけが一方的に不便を被っている、そんな印象が拭えま
せん。そんな場当たり的な対応では逆に客離れを促進するのみではない
かと危惧しています。仮に、購入した製品に不具合が発生してもサポー
トしません、と言った対応を取られるのであれば、それは私が御社と決
別する原因となるでしょう。
--------

 以上です。よろしくお願いします。
--------

 この問合わせに対し、2002/12/11 に以下のお返事を頂きました。

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この度はレーベルゲートCDについてのお問い合わせありがとうございます。
また、返信が大変遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

(本名)様のご質問について回答申し上げます。

1)
具体的な機種名を教えて下さい。
→誠に申し訳ございませんが、同一機種でも生産時期の違いで機器を動作させるため
の組み込みソフトウエア等が異なることがありますので、メーカーに関係無く個別
機種についての互換性につきましてはお答えできません。
ご了承下さい。

2)
パソコンでの再生においても、他社の CCCD ではディスクを全く認識できない場合
が有ると聞いています。レーベルゲートCD ではそのようなことは無いのでしょう
か?
→レーベルゲートCDは、コピーコントロールされたことによりPCにコピーできないと
いうお客様の不便を極力減らすために開発されました。しかし、PCの場合、ハード
ウェアの微妙なバージョンの違いやアプリケーションのインストール状況により反
応が異なる場合も多く、一部のパソコンで音源にアクセスできない場合がありま
す。
当社といたしましても、このような問題の少ない技術を継続して検討してまいりま
すのでご理解をお願い申し上げます。

今後とも当社音楽パッケージをご愛顧いただきますようお願い申し上げます。
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(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント
◎WEB: http://www.sonymusic.co.jp/cccd/
◎MAIL: labelgatecd@sonymusic.co.jp
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 とまぁ、言葉遣いは丁寧ですが意訳すると「質問には答えられませんし動作保証もできません」となります。安心して購入できる商品を提供することができないと言うことにもなりますが、これがかつて私が信奉した(注)SONY さんのグループ企業の姿だと思うと自分の方が情けなくなります。

注)上記 Discman もそうですが、拙宅には SL-HF900(初代ベータプロ)、EDV-9000(ED ベータ)が2台、プロフィール HG(マルチスキャン AV モニタ)なんてものが現存しています。

 一つ突っ込んでおきます。「コピーコントロールされたことによりPCにコピーできないというお客様の不便を極力減らすために開発されました」とのことですが、コピーも自由に行なえないファイルを有料で提供されても、それは不便以前に精神的苦痛です。ダイヤルアップで通信をしたことのある方なら感覚的にお判りになると思いますが、何かをする度に課金が発生するモデルではそれを上回る利便性なり快楽なりが得られない限り広く受入れられることはありませんし、ましてやレーベルゲートに関しては不便を極力減らすとの方向性より音楽ディスクを購入してくれた客から更に売上を得ようとする行為にしか観えないのが正直なところです。

 残念ながらこのレーベルゲート CD なる謎の円盤も、今のままなら私は支持することができません。

追記ここまで----------

 

 

 メーカの方へ。もし間違い、或いはサポート方法や技術的指導等ございましたら下記アドレスまでご連絡下さい。訂正させて頂きます。

 リンクとか一切の制限をしませんのでご自由に。尚、ADSL による自鯖ですので、落ちていたらご容赦下さい。

The person who wrote:凧

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