前編に続き、実際に Virtual10 を使ってみます。

・使用編

 インストールした結果ですが、Virtual10 の仮想ドライブは SCSI デバイスとしてシステムに認識されています。一部のプロテクトでは IDE と SCSI が混在する環境で SCSI からの起動を阻害する挙動を示していましたが、Virtual10 ではこれに対応できないことを意味します。もっとも、最近の主流となってきた SerialATA デバイスもシステムからは SCSI デバイスとして認識されるため、SCSI を排斥するような挙動が今後採用されることもないと思われ、以降の実害はないのかもしれません。



 Virtual10 では主画面でディスクイメージを登録してからでないと仮想ドライブにイメージをマウントすることができません。DaemonTools しか使ったことのない身にはこの作業を面倒に感じますが、逆に言えば Virtual10 でイメージ作成、管理等を一括して行えるので、Windows のエクスプローラを使うことに煩わしさを感じるような方には良いかもしれません。また、一部制限はありますが ccd など他のイメージファイルも登録できます。登録さえしてしまえばエクスプローラの右クリックでもイメージファイルをマウントできるようになります。

 ここで特にプロテクトの施されていない DVD-ROM の仮想化を実施してみましたが、LaVieM の内蔵ドライブを使用して 4GB の作成に30分程度を要しました。



・プロテクト編

 さて、何もプロテクトの施されていないディスクからイメージを作成してマウントする作業に Virtual10 を使用する意味は余りないと思います。そこで手持ちのプロテクトを施したタイトルで試してみます。

 ここでは一般に Alpha-ROM v3.1 と呼ばれるバージョンを採用したタイトルで実施してみます。と言ってもプロファイルで「Alpha-ROM」を選択するだけ。実に簡単です。



 後はじっと待つだけ、なんですが、進行状況が99パーセントまで順調に進んだところでバーが巻戻り遅々として進まなくなります。



 結局 1GB 程度のタイトルで30分以上を要しました。ノンプロテクトのディスクと比べるとだいたい4倍ほどでしょうか。実はこの前に 4GB 程度のタイトルでも試しているのですが、2時間待っても終わらなかったので中断した経緯があります。Alpha-ROM の場合は逆読みしてアドレスの重複を再現する必要があるため結果的に読み込むドライブへ大きな負荷をかけてしまうようです。

 できあがったイメージからの起動は問題なし。実にあっけないものです。拍子抜けするくらいで、正規ユーザが背負うことになってしまう誤爆リスクが馬鹿らしくなってしまいます。とは言え、イメージを作る行為にも負荷を考えるとリスクを伴うのも確かだと思いますで、誤爆リスク回避のためだけに頼るのも微妙ではあります。


・使ってみて

 起動時に実ディスクを要求するタイトルの減少に伴って DaemonTools を使う機会が減り、ここ数年は全く使用しなくなっていました。そこに国内では最新の仮想ドライブソフトを試す機会に恵まれた訳ですが、ルールさえ理解してしまえば流石に使い方で悩むようなシーンはありません。仮想化も自動に任せるだけ。実に良くできています。さて、では何に使おうかと考えると、何気に困ってしまいました。先に述べたとおり、起動時にディスクを要求しないタイトルでは仮想ドライブを使う意味も余りありませんし、常にキーディスクを要求するようなタイトルはほぼ市場から淘汰されたと感じています(逆にそのようなタイトルを未だリリースしているようなメーカは早晩淘汰されるのではないでしょうか)。それはすなわちこのような仮想ドライブソフトの需要も減っていくことを意味します。それでも需要を維持しようと思ったらアンダーグランドな世界にそれを求めるしかないのかもしれませんが、それはメーカの望むものではないでしょう。例えば Virtual10 は最大で23個もの仮想ドライブを作成できますが、まだその有効な使い道は無いと感じます。今後、機能的に新たな提案ができるのかが、仮想ドライブソフトの今後を左右するのかなと、そんな印象を持ちました。


・番外編1

 せっかく試用する機会を頂いたので、当サイトらしい実験を一つ。プロテクトが誤爆するドライブを使って作成したイメージから正常に起動できるのでしょうか?

 別のシステムを用いて Safedisc2.0 を採用したタイトルのイメージを Safedisc が起動できない CDRW-S4432(MELCO)から作成します。イメージ作成中7時間ほどの時間が表示されましたが、実際には30分ほどで完了しています。

 結果ですが、マウントしたイメージからの起動は全く問題なし。作成するドライブが誤爆するか否かはイメージの作成に影響しないようです。



・番外編2

 環境によってはインストール直後の Virtual10 起動時に WindowsXP SP2 のファイアウォールから警告を受けます。ブロックしても問題なく動作するので害はないでしょう。